源氏物語の世界 再編集版 (XML形式)

 

このページはIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の未踏ソフトウェア創造事業の支援を受けて開発した「源氏物語の世界 再編集版」の新しい形式のページです。

既存の3つの形式(HTML形式、HTMLヘルプ形式、CSV形式)は高千穂大学の渋谷教授が公開しているホームページ「源氏物語の世界」を再編集したページで した。これらの形式では、新しい情報を追加しようとすると、その度に、再編集プログラムを改造する必要があり、拡張は容易ではありませんでした。

新しいXML形式は、第三者がコンテンツを容易に拡張できること、しかも、複数の第三者が独立に拡張作業を行っても、混乱なく、容易にコンテンツが拡張できることを目標に開発した ものです。その開発内容についてはこちらで説明します。

現在、XML形式の再編集版では、HTML形式の再編集版に比べて、以下の機能が追加されています。

  • Word 2003で縦書き印刷用文書を表示できる。
  • IE6で縦書き表示できる。
  • 本文にルビを付加できる。
  • ユネスコによる絵入源氏物語の挿絵と解説のページをiframeで取り込むことができる。

反面、ブラウザはInternet Explorerに限定しました。Microsoft EDGEやGoogle Chrome等では使用できません。
Internet Explorerでも、セキュリティの設定を変更しないと動作しない場合があります。詳細はこちら
(2020/12/27: Windows 10のセキュリティの設定方法の説明では画面スナップを追加しました。)

なお、再編集処理の実行には、MSXML 4.0も必要です。マイクロソフトのサイトからダウンロード&インストールしてご利用ください。

 

再編集仕様の設定

以下の再編集仕様を設定してボタンを押してください。
新しいウィンドウが開かれ、再編集処理が実行開始されます。
しばらくして実行が終了すると、再編集されたページが表示されます。

初めて実行する場合やボタンを押した後などでボタンが押せない状態に
なっている場合は、以下の手順に従って操作してください。
  1. 帖と章を選択してください。
    また、このページの他の項目を必要に応じて設定してください。
  2. ボタンを押して書式設定ページに進みます。
    書式設定ページの項目を必要に応じて設定してください。
  3. ボタンを押すと、このページに戻り、ボタンが押せる状態になります。

     

再編集形式の選択
  再編集形式名 提供者 概要
Wordで縦書き印刷用文書作成 宮脇文経 Word 2003以降のXML形式文書を使って、縦書き印刷用の文書を作成し表示します。注釈等は下端に1段組追加して、そこに出現順にマージして表示されます。
なお、HTMLアプリケーションとして実行して、文書ファイルを保存し、Wordを起動するため、途中で確認メッセージやセキュリティの警告メッセージが表示されます。
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IEで縦書き表示 宮脇文経 Internet Explorerの縦書き表示機能を使って表示します。注釈等は下端に1段組追加して、そこに出現順にマージして表示されます。
ただし、ルビは未サポートです。Internet Explorerにはルビを使用すると表示形式が乱れる問題があるので指定されても無視します。
IEで横書き表示 宮脇文経 オーソドックスな横書き表示機能を使って表示します。注釈等は右端に1段組追加して、そこに出現順にマージして表示されます。
IEで横書き表示+朗読 宮脇文経 (現在、朗読との対応関係にずれが発生しており、正しく処理できません。これは、2012年から実施していた、本文や現代語訳の更新作業の影響によるものですが、その更新作業は終了しましたので、今後、少しずつ、ずれを解消して使えるようにする予定ですので、今しばらくお待ちください。)

すみこさんによる本文の朗読を聴くことができる再編集形式です。しかも、朗読の進度に合わせて、本文の朗読している文節と、渋谷栄一訳の対応する文節がハイライトされます。(注1)
画面はオーソドックスな横書きで表示されます。注釈等は右端に1段組追加して、そこに出現順にマージして表示されます。
この形式を選択する場合、「朗読」と「朗読と本文の対応関係」「渋谷栄一訳の文節情報」(注2)も選択してください。
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(注1)ただし、朗読の底本と本文の底本は異なるため、所々、食い違う場所があります。あらかじめ、ご了承ください。
(注2)ただし、渋谷栄一訳をハイライトする必要が無い場合は、「渋谷栄一訳の文節情報」は選択不要です。
朗読と本文の対応付け作業ツール 宮脇文経 (現在、朗読との対応関係にずれが発生しており、正しく処理できません。これは、2012年から実施していた、本文や現代語訳の更新作業の影響によるものですが、その更新作業は終了しましたので、今後、少しずつ、ずれを解消して使えるようにする予定ですので、今しばらくお待ちください。)

すみこさんによる朗読と渋谷教授提供の本文を対応付ける作業用のツールです。対応付けが終わると、朗読の進度に合わせて朗読している部分がハイライトされるようになります。
これを選択する場合、「朗読」と「朗読用文節情報」「朗読と本文の対応関係」も選択してください。
さらに、「渋谷栄一訳の文節情報」も選択すると、朗読の進度に合わせて本文と渋谷栄一訳の両方がハイライトされるようになります。 反面、「渋谷栄一による注釈・出典・校訂」は選択しないことを推奨します。選択すると、応答が遅くなり、対応付け作業に支障が生じる場合があります。
また、初めて使用する場合は、[書式設定]を再実行してから使用してください。。
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対照表示するテキスト
段組 テキスト名 提供者 概要
  関連コンテンツ名 提供者 概要
本文 渋谷栄一 渋谷教授が校訂して公開している本文を、宮脇文経が再編集プログラムでXML形式に変換したものです。
渋谷栄一による注釈 渋谷栄一 渋谷教授が公開している注釈を、宮脇文経が再編集プログラムでXML形式に変換したものです。
ただし、見出しが本文と一致していなかった箇所は宮脇文経が本文に合わせて見出しを修正しました。
渋谷栄一による出典 渋谷栄一 渋谷教授が本文と一緒に公開している出典情報を、宮脇文経が再編集プログラムでXML形式に変換したものです。
渋谷栄一による校訂 渋谷栄一 渋谷教授が本文と一緒に公開している校訂情報を、宮脇文経が再編集プログラムでXML形式に変換したものです。
本文のルビ 宮脇文経 渋谷教授が提供する「本文」のルビです。「本文」と「ひらがな版」を再編集プログラムによって機械的に突き合わせて抽出しました。
朗読 すみこ 昭和55年頃カセットテープに録音した朗読音声です。底本には日本古典文学全集を使用し、校正は岡本正氏(故人)にお願いしました。それを息子の丈がデジタル化して公開しました。
朗読と本文の対応関係 宮脇文経 (現在、朗読との対応関係にずれが発生しており、正しく処理できません。これは、2012年から実施していた、本文や現代語訳の更新作業の影響によるものですが、その更新作業は終了しましたので、今後、少しずつ、ずれを解消して使えるようにする予定ですので、今しばらくお待ちください。)

すみこさんによる朗読と渋谷教授提供の本文を対応付けたデータです。これを朗読に対応した再編集形式と一緒に選択すると、朗読の進度に合わせて本文をハイライトできるようになります。底本と校訂者が違うので、両者間には微妙なずれがありますが、あまり違和感なく使えると思います。
ただし、まだデータ入力作業中で、一部の帖しか存在しません。2008/1/14現在は、第1帖「桐壺」〜第5帖「若紫」、および、第16帖「関屋」が存在します。
朗読用文節情報 宮脇文経 ここでは本文を句読点で分解した各部分を文節と呼びます。このデータは、この文節の区切り位置の情報を記述したもので、「朗読と本文の対応付け作業ツール」で使用します。
この文節は本文と朗読の対応付けの単位となっており、朗読の進度に合わせて本文をハイライトするときも、この文節ごとにハイライトされます。
このデータは全54帖分揃っていますが、文節情報だけで対応関係情報は入っていません。対応付け作業が終わると、結果(文節情報+対応関係情報)は「朗読と本文の対応関係」に保存されます。
渋谷栄一訳 渋谷栄一 渋谷教授が現代語に翻訳して公開しているものを、宮脇文経が再編集プログラムでXML形式に変換したものです。本文と対比して読むことによって本文の理解を深めることを主眼として書かれた訳です。
渋谷栄一訳の文節情報 宮脇文経 本文と渋谷栄一訳を文節単位に対応付けたデータです。これを朗読に対応した再編集形式と一緒に選択すると、朗読の進度に合わせて本文と渋谷栄一訳を同時にハイライトできるようになります。
ただし、文節の対応が取れなかったところは、文(句点(。)で分解した各部分)単位または行単位の対応になっているところもあります。
このデータは全54帖分揃っています。
与謝野晶子訳 宮脇文経 あおぞら文庫から入手した与謝野晶子訳をXML形式に変換したものです。 現代語訳:与謝野晶子、底本:角川文庫、入力:上田英代(古典総合研究所)、校正:あおぞら文庫、形式変換:若林貴幸,宮脇文経
与謝野晶子訳のルビ 宮脇文経 あおぞら文庫から入手した与謝野晶子訳から、ルビだけを、再編集プログラムによって機械的に抽出したものです。
ひらがな版 宮脇文経 渋谷教授が提供するローマ字版を再編集プログラムによって機械的に変換したものです。 ただし、「本文のルビ」の作成時に本文との突合せによって、一部手直ししたところがあります。


挿入するオブジェクト
  オブジェクト名 提供者 概要
絵入源氏物語の挿絵 渋谷栄一 渋谷教授がローマ字版で使用している挿絵の情報を、宮脇文経が再編集プログラムでXML形式に変換したものです。 この挿絵は2001年9月に渋谷教授がローマ字版で使用していた挿絵をダウンロードしたものです。 現在、ローマ字版で使われている挿絵と同じ絵ですが、良く見ると細部が微妙に違っています。私には2001年9月の挿絵の方がきれいに感じられたので、2001年9月の挿絵を使用しました。
絵入源氏物語の挿絵と解説(ユネスコ) 宮脇文経 ユネスコによる絵入源氏物語の挿絵と解説のページをiframeで取り込みます。 使用している挿絵は渋谷教授が提供する「絵入源氏物語の挿絵」と同じものです。


ご注意
ご使用になれるブラウザについて
Internet Explorer 10〜11
(Windows 7〜10)
Windows 10では、Internet Explorerはプログラムメニューの「Windowsアクセサリ」にあります。


以下の手順で設定してご利用ください。
  1. MSXML 4.0をダウンロードしてインストールしてください。
  2. 互換表示機能を有効にしてください。(互換表示機能を有効にする方法の詳細はこちら)
  3. 互換表示機能を有効にしても動作しない場合、代わりに、プルダウンメニューから「番号で入力する」を選択すると、テキストボックスに変わるので、そこに帖番号と章番号を入力してご利用ください。
  4. それでも正しく動作しない場合、または、プルダウンメニューで入力したい場合、インターネットオプションのセキュリティタブで当サイト(http://www.genji-monogatari.net)を信頼済みサイトに追加してください。
    追加するとき、「このゾーンのサイトにはすべてサーバーの確認(https:)を必要とする(S)」のチェックを外してください。当サイトはHTTPSには対応していないためです。
    このチェックを外すと、警告ダイアログが表示される場合がありますが、表示された場合は[はい]を応答してください。
Internet Explorer 9 初期のInternet Explorer 9には、帖と章を選択するプルダウンメニューが正しく動作しないものがありました。現在は修正されています。正しく動作しない場合は、Windows Updateの適用と、互換表示機能をお試しください。
それでも正しく動作しない場合は、代わりに、プルダウンメニューから「番号で入力する」を選択すると、テキストボックスに変わるので、そこに帖番号と章番号を入力してご利用ください。それ以外は、Internet Explorer 6 〜 8 と 同様にご利用になれます。
ご利用にあたっては、IE6〜8と同様にMSXML 4.0をインストールしてご利用ください。
Internet Explorer 6 〜 8 そのままの状態で、ご利用になれます。ただし、バンドルされているMSXML 3.0は性能が悪いので、MSXML 4.0をインストールすることを強く推奨します。
MSXML 4.0をインストールすると、再編集処理時間は劇的に短縮されます。長い帖・章ほど効果は大きくなります。
MSXML 4.0は既存のMSXML 3.0と共存する形でインストールされ、ブラウザなどでは既存のMSXML 3.0を使い続けるので、インストールによって他のプログラムに影響が出ることはほとんどありません。
なお、MSXML 5.0や6.0がインストールされていても、MSXML 4.0がインストールされていない場合、再編集処理ではMSXML 3.0を使用します。MSXML 4.0はMSXML 5.0や6.0とも共存できるので、この場合もMSXML 4.0をインストールすることを強く推奨します。
(2012/6/24追記:最近、MSXML 4.0がインストールされていない環境では多くの機能が正しく動作しなかったと思われる問題を発見しましたが、未対策です。
その旨の報告も受けていなかったことから、MSXML 4.0がインストールされていない環境で使い続けている人はいないと理解したためです。
今後、MSXML 4.0は、事実上必須とさせていただきたいと思います。)
Internet Explorer 5.x これらのブラウザは2012/6/24日付で非サポートとさせていただきます。
現在、これらのブラウザでも、一定条件を満たせば動作するかもしれませんが、すでに、これらのブラウザはほとんど使われなくなっていることと、最近はこれらのブラウザで動作確認しておらず、事実上、未サポート状態であったことによるものです。
上記以外のブラウザ 現状ではサポートしておりません。
Internet Explorer以外のブラウザをサポートしないのは、XMLスタイルシート(XSLT)で補助的に使うJavaScriptにInternet Explorerの独自仕様を使用しているためです。このため、このページでもプルダウンメニューなどで意図的にInternet Explorer 5.x以降の独自機能を使って、Internet Explorer以外のブラウザでは使用できないようにしています。
Internet Explorerの新しいバージョンをサポートしないのは、Internet Explorer 5.x以降の独自機能を使っているところで、互換性が取れなくなるような修正を加えられることがあるためです。ちなみに、Internet Explorer 8以降の対応状況は以下の通りです。
2009/10/31 Internet Explorer 8 で正しく動作しない問題を対策しました。
2012/03/25 Internet Explorer 9 で正しく動作しない問題を対策しました。ただし、初期のInternet Explorer 9では、帖・章を選択できなかったため、番号でも指定できるようにしました。
2012/06/24 Internet Explorer 10 で正しく動作しない問題を対策しました。ただし、上記のとおり、一部制限があります。
今後も、Internet Explorerがバージョンアップしても、この独自機能が互換表示機能などでサポートされ続ける限り、問題を対策してサポートする所存ですが、対応時期は多少遅れるかもしれません。<(_ _)>


参考
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の未踏ソフトウェア創造事業の支援を受けて開発した内容について

このXML形式の再編集版の開発では、IPAの未踏ソフトウェア創造事業で2004年度と2005年度の2回採択され、支援を受けました。

IPAの公募 テーマ名 開発期間 リンク
2004年度第2回 源氏物語の鑑賞支援ツールの開発・整備 2004年12月〜2005年8月 採択概要 成果報告 評価
2005年度第2回 源氏物語の鑑賞支援ツールの実用化 2005年12月〜2006年8月 採択概要 成果報告 評価

「源氏物語の鑑賞支援ツール」というネーミングは源氏物語の鑑賞に役立ちそうなツールを開発・整備しようという狙いからつけたものです。当初の提案では、もっと直接的なツールやコンテンツの整備に力を入れた内容だったのですが、2004年度の採択時に 大きな方針転換があって、もっと基礎的な仕掛けの整備に力を入れることになり、その手段としてXML形式を開発することになったものです。

この点については、この開発の方向が固まった時点(2005年6月)で書いたページがありますので、そちらを参照してください。

この開発成果については、第十回XML開発者の日でも発表しました。
発表時に使用したスライドのファイルはこちら。